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エイムが苦手なら敵の頭を大きくすればいいじゃない"Friends vs Friends"【デモ版レビュー】

『Friends vs Friends』のデモ版がSteamで配信された。魅力的なゲームなので紹介したい。

『Friends vs Friends』はインディースタジオBrainwash Gangが開発中の対人FPSゲームで、最大の特徴は様々な効果を持つカードを使って試合を有利に運ぶ"カードバトル"の要素だ。
基本的なルールは"先に3回相手を倒したほうが勝ち"というシンプルなものなのだが、そこにカードによる"ランダム性・戦略性"が影響してくる。

試合が始まるとまずそれぞれのプレイヤーにカードが数枚配られる。

▲「スナイパーライフルを手に入れる」「相手のジャンプを封印」「最大体力を増加」と、カードの効果は様々。

戦闘中は手札から選んだカードを好きなタイミングで発動し、相手を追い詰めていく。ただし発動すると相手にも通知がいくため注意が必要。

どちらかが死ぬと次のラウンドが始まり、手札に新しいカードが追加される。前のラウンドで残ったカードは維持されるため"序盤からカードを使いまくって圧をかける"か、"後半を意識してカードを節約するか"といった戦略がプレイヤーに求められる。

使用するカードはデッキを組むことでカスタマイズ可能。今のところそこまで幅はないが、製品版になる頃にはカードも増えてデッキ構築がより重要になるだろう。


▲デッキは最低でも25枚以上のカードが必要で、かつ総コストが50以下に収まっていなければならない。コストはカードの右上に書かれていて、強力なカードはその分コストも高い。

新しいカードはどう手に入れるのか?
実は今回のデモ版から"ブースターパック"を剥くと新しいカードが手に入るようになった。パックはゲーム内通貨で購入するか、試合後にたまる経験値でレベルを上げることで報酬としてもらえる。

敵の体力下げて、逆にこちらは上げて……ってそんなのアリ?

ではカードにはどんなものがあるのか紹介しよう。
カードの効果は様々で大きく分けると、自チームを強化する"バフ"、相手チームを弱体化させる"デバフ"、武器を手に入れる"ウェポン"、タレットや爆弾を出す"ヘルパー"、予測不可能な結果をもたらす"ワイルドカード"、使用時に相手に通知されない"トラップ"の6種類。

バフデバフは『武器の精度上昇・低下』『体力の増加・減少』といったプレイヤーの動きやステータスを変動させるカードが多く、とりあえず使っておけば恩恵を受けることができる。
中でも特徴的なのは自分の頭のサイズを小さくする『SMALL HEAD』相手の頭のサイズを大きくする『BIG HEAD』ヘッドショットが要のFPSにおいて頭のサイズを変化させるこのカードたちは禁じ手にも近いかもしれない。

▲相手の頭が巨大化、これで敵を狙い撃ちだ。
▲自分の頭を縮小して、身を守ることも可能。

ウェポンは 武器を変更できるという初期装備がピストルの本作では非常に重要なカードだ。
ただしどの武器も一長一短で、サブマシンガンは大量の弾をばら撒くことができるが精度が悪く威力も低い。遠くから狙い撃ちができるスナイパーライフルも近づかれると厳しい。

無闇に使っても勝てないため、やりたい戦術に合わせて器用に使う必要がある。他のカードとのシナジーを考えるとより楽しめるだろう。

ヘルパーは投擲物・設置物を出現させるカードだ。爆発物を投げつけて直接攻撃したり、タレットを設置して敵を待ち構えたりなど用途は様々。

▲毒ガスを発生させるビーカーを投げつける『TOXIC GRENADE』
▲自動で敵を狙う猫型タレット『CA-TURRET』

ワイルドカードは効果がトリッキーで、発動には一定のリスクがあるカードだ。
例えば『TITAN』を使うと自身が巨大化し、体力を著しく増加させることができるが、巨大化したことで動きが遅くなってしまい敵から集中砲火を受けてしまう。

▲追い込まれた際に発動すれば、逆に敵を圧倒できるかもしれない

個性豊かな動物キャラクター、作り込まれたマップ。

操作するキャラクターたちもそれぞれ特徴が異なっている。
動きが素早いウサギのHaruダブルジャンプができるヘラジカのMoose Salto回復カードを毎ラウンドもらえるヒルDuck Andersonなど、デモ版の段階ですでに7体のキャラが解放されている。

▲初期体力が高いDonnie B.、爆発物を反射するLittle Lars

去年のデモ版では体力が高いイヌのDonnie B.が暴れ散らかしていたが、ある程度ナーフされ キャラのバランスは改善されたようだ。

それから新マップの地下鉄を遊んでいて思ったが、このゲームのマップは予想以上に作り込まれているようだ。
公衆電話の受話器を撃つとちゃんと専用の音が鳴るし、壁に備え付けてある消火器を撃つと辺り一帯に粉がまうなど、置いてあるアイテムに個別の反応があって面白い。

▲地下鉄にありそうな売店と、謎の日本要素

競技としてもパーティーゲームとしても楽しめる良作かも!

で、野良と戦ったり友人たちとプレイしてみた感想……『かなり面白い』。

どのカードが配られるか分からないランダム性もハラハラするし、そこからカード同士のシナジーを見つけた時は爽快だ。
各ラウンドで"カードをたくさん使う戦法""カードはなるべく使わず自分のFPSの腕前を信じる戦法"のどちらに比重を置くかという判断力も求められるので 競技性が高い。このゲームでプロゲーマー同士の対戦が起きたらどんな風になるか見ものである。

と同時に、友達同士でワイワイ楽しむパーティーゲームの側面も持っている。
FPSの腕前にバラつきのある複数人と遊んでみても、カードの戦略次第で上級者に逆転できるなど意外に"FPSとカード要素のバランスがとれている"と感じた。

唯一の懸念点はブースターパックシステムだろう。パックから出たカードでダブりがあるとカードが強化される仕様になっており 必然的に長く遊んでいる人が有利になってしまっている。

デモ版では全編英語だったが、Steamのストアページを見ると日本語化もされるようなので期待して待ちたい。
Friends vs Friends のデモ版は、2月26日までプレイできるのでぜひ遊んでみてほしい。